ビワマス銀りん輝く 滋賀・長浜出船「体験トローリング」

ビワマス銀りん輝く 滋賀・長浜出船「体験トローリング」:中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp)

2024年7月24日 05時05分

 「ビワマスの体験トローリングがありますよ」と、本紙ライターの鮎川ナオミさんから聞いて15日、滋賀県長浜市西浅井町の琵琶湖に取材に出かけた。梅雨の真っただ中で3日前まで開催が危ぶまれたが、88人が21艇に分かれて出船した。記者が同乗したガイド船では大物を含む13匹の釣果があり、大いに盛り上がった。 (太田真人)

 「ビワマス体験トローリング」は年1回のイベントで今年9回目。タックルは無料貸し出しで、魚を持ち帰れるクーラーさえあれば、家族連れや初心者でも手ぶらで参加できる。

 「ファイブオーシャンマリーナ」に午前4時半に到着し、手続きを済ませる。私が同船したガイド船は「キング・オブ・マザーレイク」で5時に出船した。船長は井川貴裕さん。ミヨシ側に岐阜市の塩谷浩司さん、田中昌彦さん、トモ側には栃木県から来た新井克尚さん、道子さん夫妻が陣取った。

 ポイントへは40分。到着すると、乗船者に電動リールか両軸受けリールのトローリングタックルが用意された。電動リールには鉛入りのラインが巻かれており、出した長さの10%分の水深まで沈む。実は新井克尚さんはハンドメイドルアーの職人で、ルアーは新井さんの「Aray Spoon」を使用。プロガイドや漁師に好評のスプーンだという。

 船長が「小雨はしばらくするとやみます。今は潮止まり前でアタリが出るので、楽しんでください」と案内してくれた。塩谷さん、田中さんは2年ほど前から来るようになったという。船を流していると、塩谷さんの穂先がグイーン。「来てるよ、巻いて巻いて!」と船長の声が飛ぶが、船の近くで魚がキラッと反転した。「あっ、バレた」と塩谷さん。それでもすぐに新井道子さんにヒットし、45センチのビワマスが取り込まれた。黒系ルアーだった。

 すると、また塩谷さんに当たった。「デカい、デカい」と言いながら竿を立てている。ゆっくり巻き上げ、銀りん輝く魚体を玉網に収めた。メジャーで測ると51・5センチの大物だった。ルアーは銀色系。塩谷さんはこの日が41歳の誕生日で、素晴らしいバースデープレゼントに会心の笑みがこぼれた。

 ビワマスは次々上がるが、30センチ以下も多く、キープよりリリースの方が多い。田中さんも竿を曲げて「いい引き~」とニッコリ。船長に「こんなに釣れるものですか?」と聞くと「前回の出船ではもっと大物も交じりましたよ」との答えが返ってきた。

 帰港時間は正午。11時までにポンポンと釣れ、船中13匹目を数えた11時過ぎに「雨雲が来ているので、順に片付けて上がりましょう」との提案が船長からあった。帰港するとサイズ発表があり、最大で62センチが仕留められていた。

 昼食はビワマスのにぎりずし、から揚げ、カレーなどが参加者に振る舞われた。最後は協賛メーカーによるロッドやケース、ルアーなどの豪華商品が当たるジャンケン大会があり、ビワマスプロガイド協会・藤本美也会長との真剣勝負で盛り上がった。

 ガイド船は9月末までで。要予約。料金は船によって違うのでHPで確認を。

 (問)ビワマスプロガイド協会・藤本会長=(電)090(2282)7123。

ビワマスプロガイド協会HPからも問い合わせ可。

 ▼ビワマス 琵琶湖のみに生息する固有亜種。稚魚の時は小判型のパーマークと朱点が見られるが、成長とともに消失する。成魚の全長は40~50センチで、最大70センチを超えることもある。10~11月の産卵期には北湖の流入河川に遡上(そじょう)して砂利底に産卵し、産卵後の親魚は死ぬ。資源保護のため、30センチ以下は採捕禁止。10月1日~11月30日は禁漁期間となっている。