DAIWA船最前線(ダイワ船最前線)アングラー:村上 哲 様

琵琶湖の宝石「ビワマス」に会いにマザーレイクへ

DAIWA船最前線(ダイワ船最前線)

アングラー:村上 哲 様

皆さんこんにちわ。美味しい魚大好き食いしん坊アングラー「モジャオ」こと村上哲です。

近年まで幻の魚といわれていた琵琶湖のジュエリーフィッシュ「ビワマス」の実釣に行ってまいりました。その模様と、この究極の美味とされる魚の実食までをレポートしますのでお付き合い下さい。

僕がビワマスでお世話になっているのは滋賀県大津市堅田淡海(おうみ)マリーナ出船の「SOUWESU(サーウエスト)」さん。

ディスイズマザーレイクへ来たんだと気持ちの上がるマリーナ。とても優しくビワマスプロガイド協会副会長も務められている大仲キャプテンが操船する新艇でエントリー。

※優しい大仲キャプテンに船最前線PRお願いさせてもらいました。すぐに船へステッカー張り付けてくれる優しいキャプテンに感謝です。

当日の実釣は山からの雪解け水の湖内流入(雪代)がひどく事前情報でもルアーを食わせるのが非常に困難とのこと。キャプテンも頭が痛い環境ですが前日の状況と例年の実績からここなら濁りもましだろうというエリアまで一気に走る。

少し濁りはあるものの昨日の状況よりはずいぶんましな様でキャプテンも「いれパクしてくれんかなぁ」と期待の声が出るくらい。そしてある程度走ると魚探にもビワマスの良い感度が映る。

※上の弓を引いた様な形の反応がビワマス。下の帯はベイト感度。

この直後に「村上さんあたってる。デカイで!」とのコールで左舷アウトリガーのロッドに食ったデカビワマスとファイト。魚の価値を知っているだけに極端に言葉の数が減ります(笑)

上がってきたのは50cmを優に超える54cmの立派な個体でした。銀鱗に覆われ薄紫がかったその魚体は非常に美しくうっとり見とれてしまう程です。かなり少ないそうですがさらに大きなものは60cmを超えるとのことですのでいつかは会ってみたい。幻の70cm級もいるらしいのでこれに巡り会えた人は帰りの運転に注意が必要。

※離れているうちはおとなしいのですが船が見えてからは一気に本性を現し頭を振りまくり魚体を八の字にくねらせ抵抗する。スリリングでめちゃ楽しいファイトをしてくれましたよ。

その後小型を含む4本までは順調に釣れていたのでキャプテンも安心していたのですが濁りが入った為か突然感度が消えてしまった・・・僚船からの情報で食い気がありそうなところで粘るも状況は変わらない・・・

このままでは終われないとキャプテンの判断でピックアップし昨日午後から感度のあったエリアへ船を走らせ再度エントリーし暫く走ると単発ではありますが感度が出てきて・・・良型が食った!

ガッツリファイトして良型のビワマスを取り込むためにチーム一丸となって挑むこの感じがたまりません。他の釣りではなかなか味わえない一体感がこの釣りにはあります。

そして泥濁りにてめちゃくちゃ難しい状況の中、連発とはいきませんが型に拘り良い魚を一日中追いかけ最終11尾まで釣果を積み上げてもらえ充実の休日を終えることが出来ました。

””今回はもう少し掘り下げてビワマスの生態と特別にトローリングシステムの紹介の許可をもらいましたので以下に記させて頂きます””

ビワマスは天然の個体としては琵琶湖にしか生息しないネイティブトラウトで近年まで幻といわれていた謎多き魚。そして鱒化の魚なのに生食が出来る驚きの超高級魚ということはTVなどでも紹介されて知っておられる方は多いと思います。ではなぜこの魚が幻ではなく我々が釣ることが出来る様になったのか?これは決して魚が増えたわけでは無くビワマスプロガイドの方々が行っている釣法(トローリング)にあります。システムはドジャーと呼ばれる集魚板の下にスプーンを付けたものを横出しのアウトリガーで船の遥か後方の浅い棚を。ダウンリガーで少し深めの水深をサーチして食わせるというもの。

一般的に4本~6本出しのガイド船が多いそうです。

※アウトリガーでは鉛の芯材入りレッドコアラインで船の遥か後方の浅い棚を引く。

※ダウンリガーはこの重たい錘でクリップ止めして狙いたい水深まで沈めてサーチ。

※ドジャーと呼ばれる集魚板の下(後ろ)にスプーンを取り付け誘う。様々な組み合わせがあり多様的。

※DAIWAムーブグレイン。良い動きで大仲キャプテンのお気に入り(残念ながら現在は廃盤)。

琵琶湖は最深部で104mもの水深がありビワマスは湖底に近いエリアで生息しているのにかなり浅いところまで上がり捕食をするんだそうです。サツキマスやニジマスも生息する琵琶湖においてビワマスが唯一科学的な根拠から生食をしても大丈夫なのはこの食性が関係しているのだとか。

※アユの幼体氷魚(ひうお)。これをメインで捕食している個体は脂が乗り身の色がピンク色に白濁する。ビワマスの脂はしつこくなく非常に美味。


※こちらも琵琶湖固有種のアナンデールヨコエビ。このエビをメインで捕食している個体はアスタキサンチンの作用で身が赤く染まり上品な甘みを蓄えるのが特徴。これを食すと魚の極上の旨味は脂だけじゃないと良くわかる。

そしてこのビワマス、上段でも記した通り魚の数が増えたわけでは無く一時は絶滅の危機に瀕したそうですが様々な人の努力により現在はかなり回復してきているとのこと。現状もプロガイドと水産庁の方々で話しあい厳しいルールのもとゲームフィッシングが行われています。この魚の捕獲に対するライセンス制度はもちろんのこと、禁漁期の制定・最低サイズのレギュレーションの(30.1cm以上)設定・持ち帰りはどんな事情があっても一人五匹まで(漁師さんはこれに該当せず)・さらにルアーの針は必ず1本針で行うこと等。これを破るとライセンス剥奪の厳しい措置が取られるそうです。この素晴らしい取り組みにより徐々に総数を回復したビワマスは別名アメノウオといわれ産卵期になると(この時期が全ての船が禁漁期となる)雨の日に川を遡上し産卵を終えその一生をとげる。色々と遡上にについても教えてもらいましたがそれはまたの機会に。

~食いしん坊系アングラーの釣り人メシ~

ビワマスと聞くとその食味の良さを先行して知っておられる方も多いと思います。良いサイズの釣り物を買って食べるには高嶺の花過ぎてなかなか手が出ません。そんなビワマスをアングラーなら丸一日琵琶湖を満喫して楽しんだ上に思う存分食せるんだから絶対ビワマストローリングはお得!

そんなビワマスは食味も見栄えもずば抜けています!

※押し寿司に手毬寿司。簡単ながら驚くほどの旨さと見た目でお祝いごはんに。

※キャプテンに教えてもらった棒寿司は素人料理の域を超えています。

※通称脂飯。小型の個体を一夜干しにして焼いてほぐして混ぜる。焼いた時に出る脂も取り置きして混ぜ込む等魚へのリスペクトが感じられる料理です。

そしてこの釣りをされた方が声を揃えて言うのが「皮と骨捨てたらあかんよ。」ということ。軽く塩を振って焼くだけで絶品な酒の肴になってくれます。

贅沢な時間を過ごせてとんでもなく美味しいこの魚が食べられるビワマストローリング。プロガイドの方にお願いすれば高く感じていた敷居も無くなりますのでお気軽に電話相談してエントリーされてはいかがでしょうか。